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実会社(実店舗)とネットを連動させた
独自化ベースの総合マーケティング
ホームページ制作
MUマーケティング世界の実例
- intro
- MUマーケティング視点にて企業分析します。と同時に、MUマーケティングの具体的な内訳と、理解を深めるための類似例として、コトラー「プロダクト3層モデル」も紹介します。また競合他社は存在しないことも併せてお伝えします。
- toc
1. 世界実例の分析に関して
成功事例というと、GAFA(Google/Apple/Facebook/Amazon)など、世界的に認められた大企業を例に、皆さん安心して説明しますけれども、日本企業数は約367万社で、そのほとんどが中小企業ですから、GAFAでは存在が遠く感じられるのではないでしょうか。
そこで、GAFAのように出来上がっている企業ではなく、我々と同じように、まさに現在進行形で、ご尽力されている企業を紹介します。
MUマーケティングは、allMU DX の独自概念です。MU視点で見れば、企業は、どのように分析できるのか。全体構成で貫かれていると思われる企業を、ご紹介します。
2. フランスの寿司屋を分析する
ご紹介するのは、フランスの寿司屋です。
ホームページリンクを開く前に「寿司屋」のホームページを想像してみてください。どのようなデザインなのか、いかに訴求しているか、できればお客様/経営者、それぞれの視点で思い浮かべてみてください。
想像してみましたか?
それではリンクを開いてみてください「YOU SUSHI」
「寿司屋」というと、あんな感じや、こんな感じで、想像できるのではないでしょうか。概ね決まっている、それで別に構わない、何の問題があるの?と疑問に思われる方々もおられるでしょう。
「マーケティングとは?」で説明しているように、それはバラバラな施策です。デザインならばデザイン単体、それ自体で別個に考えています。売れるマーケティングであれば、売れるマーケティングという、切り離された場所で展開します。「MUマーケティングとは?」でも説明しました。デザイン含め、すべてが有機的につながり合い、全体構成で、企業本質(=起点)から駆動しなければ、高コスト体質で動きが鈍くなります。
3. MUマーケティングは3階層に分類する
MUマーケティングは、3階層に分類して考えます。
実際の企業は複雑な階層構造になっていて、3階層になど単純分類できませんが、今やりたいことは精密描写ではなく、企業の本懐である「集客収益」につなげるための分類ですから、その線に沿って、重要な箇所だけを階層分けしています。
3-1 フランスの寿司屋の3階層
フランスの寿司屋のホームページリンクを、さきほど開いてもらいました。そのホームページで表現されている内容から、企業のMUを抽出しました。下記画像をご覧ください。
平面図(丸型)/側面図(漏斗型)が並んでいます。
平面図中心/側面図下層(黄色)が、MU(最小単位)です。
3-2 下層(MU)
このMU、近い意味合いでは、一般的には「独自性」や「コア」などと言われています。その一般概念と、MUとの違いに疑問があるとすれば、MUはもっと分解して最小単位まで落とし込むところが、一般概念とは異なるところです。
最小単位まで落とし込むと、この場合は「楽しい」形容詞になっていました。それ以外であっても、一言で言い切れる言葉がMUです。その言葉が、お客様のベネフィット(便益)に直結しています。
お客様は何を購入しているのか。「MUマーケティングとは?」巨匠セオドア・レビットを少し紹介していますが「ドリルの穴」顧客はドリル自体を購入したいのではなく、それを使用して作られた穴が欲しいわけです。この作られた穴が、顧客にとってのベネフィットになります。寿司屋の例ですと、寿司ではなく、それを食したときの感情を購入しています。それが「楽しい」=MU
3-3 中層(包括)
MUは、側面図で見れば下層でした。「楽しい」=MU、それは、どのような「楽しい」なのか。これを包括しているのが、その上の階層です。
この場合ですと「DIY(Toy)」ホームページで表現している内容から酌み取ると、Toy感は出しているのですが、子どもが遊んで喜ぶ玩具そのものではなく「自由で想像無限大な」という意味での表現として、Toy感を出しています。DIYと併せてまとめると「自由で創造性にあふれる手づくり寿司である」これを訴求したいわけです。
この訴求内容を、企業経営から広告PRまで、一貫して実行することを、一般的には「ブランディングする」と言われています。社内外で統一することで、どちらも認知・愛着を促進。ブランディングすることで(お客様視点では)他社と識別できます。高コストになりがちな新規獲得や、既存客のLTV(顧客生涯価値)にも好影響を与えますので、低コスト経営には必須の考え方です。
フランスの寿司屋のホームページは、自社MUを捉え、その線で表現しています。言い換えれば、ブランディングも同時に行われている、ということです。
デザインとは「設計」のこと。なぜこの色なのか、積み木のような箱の上に、なぜ寿司を陳列するのか、どうしてこの順番でコンテンツを見せるのか等々、自社MUという本質があり、その上に設計構築されているわけです。それぞれに意味があります。MUから見れば、それは必然なのです。
訴求内容はブランディングされます。これによって、お客様が受け取るのは「楽しい」=MUです。お客様は「楽しい」という感情を購入しています。
3-4 上層(業種業態)
さらにその上の階層。業種業態が入ります。たとえば今夜外食予定の場合、寿司なのかパスタなのかフランス料理なのかetc. まずはそこで分類されます。お客様が選択する、もっとも最初の項目になります。寿司屋の例ですと、握り寿司なのか回転寿司なのか、それともデリバリーがウリなのかetc. 業態に関しての選択も含まれます。
3-5 MUは全体を貫く
MUの下層、中層、上層と、これらは全て、MUの下層に準じています。下層のMUが全体を貫いてこそ、MUは全体構成で、企業本質そのものから駆動します。営業や商品開発など企業活動の全てをMUが貫き統合します。もちろんホームページのデザインや文言なども、これに含まれます。
すでに表現施策されたフランスの寿司屋を紹介しましたが、我々は、これをさかのぼって、表現施策される前の段階から取り組まなければなりません。
なによりも先に、MUを引き出します。下層が決まれば、その上の中層も自動的に決まります。必要であれば(事業者によっては)さらにその上の、上層も必然的に決定されます。
世の成功法則や小手先ノウハウ・テクニックは、一般論です。それを施策する根拠がなく、外科的に充てがうために、高コスト体質で動きが鈍くなるのは当然なのです。
何を、どのように訴求し、顧客に提供するのか。それを決めるのは、自社のMUです。
4. コトラー「プロダクト3層モデル」と共通する
伝統的なマーケティングから、MUマーケティングの概念に近い考え方を紹介します。
4-1 コトラー「プロダクト3層モデル」の内訳
それは、経営学者フィリップ・コトラーが考案した「プロダクト3層モデル」です(左図)製品価値を「中核」「実体」「付随機能」の3層に分けて、自社または競合他社の製品価値を分析する有名なフレームワークなのですが、これは何をやっているのか?端的に言えば、差別化/独自化したいわけです(=お客様に選ばれたい)逆に言うと、差別化/独自化してもらわないと、お客様は商品選択時「選べない」お困りになります。全ての商材は、差別化/独自化すべきです。また差別化/独自化とは「この世にない画期的な商品サービスを作り出せ」ということではなく、商品価値の見直しなどによって「差別化/独自化は可能」という考え方です。
コトラー「プロダクト3層モデル」から少し脱線しましたが、重要なのは、企業が一方的に、製品価値を押しつけているわけでない、中核が「ベネフィット」であるところに注目してください。すなわち、顧客のニーズやウォンツに応えているわけです。顧客の欲求と、製品価値が、むすびついてこそ、それは差別化/独自化します。
4-2 コトラー「プロダクト3層モデル」は統合する
この「中核」を、ぐるりと囲むかたちで「実体」製品特性「付随機能」製品に付随するサービス、と続きます。
「中核」「実体」「付随機能」それぞれが、バラバラに機能しません。「中核」をもとに「実体」「付随機能」が作動します。別の言い方では、「中核」を実現するために「実体」「付随機能」が存在します。
4-3 コトラー「プロダクト3層モデル」矢印の方向
これを抽象的に捉え、1人の人間として見た場合、どうなるでしょうか。
「中核」精神「実体」肉体「付随機能」環境と見ることもできます。1人の人間から発せらた矢印が、外側に向かっているのが分かります。では他者から見れば?多くの場合、認識は逆に辿るでしょう。(3)Aさんは、〜という環境にいる「環境/付随機能」(2)その風貌から〜に見える「肉体/実体」(1)Aさんとは〜という人だ「精神/中核」
我々は、通常の認識とは、考察方向が逆になります。(1)まずAさんという「精神/中核」から考えます。(2)その「肉体/実体」を(3)外側「環境/付随機能」へ向かって矢印を貫いて行きます。もちろん(1)その「精神/中核」は、お客様のベネフィットにむすびついています。
4-4 コトラー「プロダクト3層モデル」はプロダクトアウトでありマーケットインでもある
ところで、マーケティング用語「プロダクトアウト/マーケットイン」教科書的な説明では、前者が「作ったモノを売る」後者が「売れるモノを作る」となりますが、実は同じことを言っています。コトラー「プロダクト3層モデル」もそうでしょう。プロダクトアウトであり、マーケットインでもあるのです。商品が、先に有るか無いか、どちらであっても、起点(中核)と、その考察方向に違いはありません。たとえば売れるモノを作ると言っても、各社それぞれの売れるモノを作ります。完全コピー品の、法外な著作権侵害でない限り、A社とB社では違うはずです。では、それを分けるものとは?各社の起点(中核)に他なりません。
4-5 コトラー「プロダクト3層モデル」は全業種共通
コトラー「プロダクト3層モデル」をたたき台にしているため「製品を作る」視点で説明していますが、この分析考察自体は、商品サービスを販売する、全ての業種に共通しています。
仕入れ商品まで指定されている業界もあるようですが、だとしても(指定有る無しどちらであっても)商品サービスを販売する段階では、どの企業も例外なく、差別化/独自化は必須となるため、各社の起点(中核)から、それぞれに作動します。矢印の方向も同様、共通しています。
4-6 MUマーケティングとの共通点
コトラー「プロダクト3層モデル」を、MUマーケティンに置き換えたのが、先に挙げた、右図です。共通点は「起点」「矢印方向」「統合」です。
矢印の方向で見てみましょう。コトラー「プロダクト3層モデル」は、「中核」から外側へ向かっています。MUマーケティングも同様に、「MU最小単位」から外側へ向かいます。またバラバラに施策されるのではなく、どちらも「中核/MU最小単位」が起点となり、それが全体を貫き統合します。
人間の喩えでは、コトラー「プロダクト3層モデル」は、「中核」精神「実体」肉体「付随機能」環境でした。MUマーケティングも「MU独自性」「業界内のポジション」「業界」とカッコ内の文言が替わるだけで、内在する意味合いは同じです。AさんのMU独自性という精神があり、その精神を包括した肉体が、或る業界の何処かに存在し、その存在は、ひっくるめて或る業界内(=環境)に存在します。
4-7 競合他社は存在しない
フランスの寿司屋を、さきほど紹介しました。これに置き換えると、どうなるのか。
お客様視点で見てみましょう。我々とは矢印方向が逆でしたよね?つまり(3)(2)(1)の順番で、多くの場合、お客様は商品サービスを選択します。
すると(3)もしくはそれに近いほど、競合他社が乱立していることがわかります。たとえば寿司屋であるならば「寿司屋である」ということだけを訴求しても、寿司屋は乱立しているわけですから、お客様は選択できません。
続いて(2)の場合。業界内ポジション。どのようなウリ強みがあるのか。(3)に比べれば、お客様は選択できます。ただし、ウリ強みも競合他社とカブりますので「安い・速い・便利」など、そこで競い合っても限界があります。現在は成熟市場であり「(2)以外の何か」を探している企業が多いのではないでしょうか。
最後に(1)他社とカブりようがない、これ以上、下の階層は存在しません。最小単位まで落とし込む理由の1つです。もう1つの理由としては「柔軟性」これは本線から離れますので別に論じるとしても、最小単位まで落とし込むメリットは少なくないです。
階層を、上昇するほど競合他社が多く、下降するほど、競合他社が減少します。
しかし、これは正しい説明ではありません。実際は、最初から競合他社など存在しないのです。自社MUが起点となれば、この世に寸分違わずな他社など、クローン技術でも作成できません。まして複雑構造の企業のこと、いま、ここに、存在すること、5年前の自社と、現在の自社が、全く同じだというのも、科学的には証明できません。自社は、それ自体で存在しているわけではなく、環境や時代性など、さまざま要因によって作られています。こうして作られた自社と、全く同じ他社が、どこかに存在すると考えるのは、非現実的です。
したがって、最初から競合他社など存在していないのです。問題はそこではない、「自社とは何か」という、地味で平凡だが、色褪せない重要な問い掛けから始まり、お客様に商品サービスを届けるまでの、一連の自社の売り方までが、成熟市場では、常に課題となるでしょう。